BAHRAIN 2025
タイヤ戦略
バーレーン GP の各ドライバーのタイヤ使用状況・・・2024 年の、ですが。すぐわかる通り、黄色のミディアムタイヤの出番はありませんでした。
2025 年ではここまで多種多様でした。特に残り 25 周という微妙なタイミングでセーフティーカーになったことで、ギャンブルとも思えるソフトを使用するチームもそれなりにいましたが、どのドライバーも問題なく最後まで走り切っていました。放送の中でも言っていましたが、ハードはグリップしない分スリップしてしまい、性能が劣化しやすくなってしまう状態で、ソフトはしっかりグリップすることで、性能を発揮させることができたということだったのかもしれません。
ただ、レース前の持ちタイヤを見ても、ハードを 2 セット持っていたのはフェルスタッペンのみ。フェラーリやマクラーレンはミディアムを 2 セット残していましたが、ほとんどがハードとミディアム 1 セットずつ。かなりのチームがフリー走行 1 回目でハードを使用していました。つまり、最初からハード 2 セットを使う作戦はないと判断されていた、ということになります。そんな中、ハードを 2 セット残し、結果レースでは性能を発揮できなかったレッドブルは、かなりの重症と言えるかもしれません。
レース中のラップタイムの推移をグラフにしてみます。セーフティーカー前の第 2 スティント (赤四角で囲んだエリア) は、緑の矢印で示したフェルスタッペン (青線) のハードタイヤのペースが悪そうです。ちょうどアントネッリ達にオーバーテイクされたタイミングかもしれませんが、明らかにペースが遅いのが見て取れます。
反対に、青の矢印で示したあたりは、ミディアムタイヤでペースをキープするピアストリ (橙点線) とラッセル (水色点線)、遅めのタイヤ交換でペースのよさそうなハミルトン (赤点線) あたりがやはり良さそう。ただ、ハミルトンはもう少し引っ張りたかったところでセーフティーカーが入ってしまいました。
黄色四角で囲んだ第 3 スティントは、全体的にタイヤの劣化が見られますが、ハミルトンとガスリー (桃線) はハード、ピアストリとフェルスタッペンはミディアム、ラッセルと角田 (青点線) はソフトでした。タイヤの種類にかかわらずペースの低下が見られますが、ピアストリだけは一定のペースで走っています。マクラーレンの強さは、このようにタイヤを使いこなせている点が大きい、と感じる今回の結果でした。